レヴィオルストーリー3
「? …アレン??」

「…何でも、ない。それより…これ、どうしたんだ」


きょとんとする彼女の服を指差す。


淡い水色のそれには、──…なんとも生々しい紅がついていた。



「…あ、これは…」

「レイ?」

「………悪魔の…、ううん、何でもないわ」


そう言って綺麗に笑うレイに、アレンは更に険しい表情になった。

ちらりと倒れた悪魔たちに目をやる。


そこは小さな血だまりと化していた。



──…自分の知っているレイは、こんな戦い方はしない。




「レ「アレン様、もういいですか?」


問いただそうと口を開いたところでコレ。


アレンは未だ目を塞いだままの空気を読まない誰かさんに、チッと大きく舌打ちした。

どうせ読むなら最後まで読んでほしい。



「………マケドニス」

「はい」

「いっぺん死んでこい」

「えええええ!?」


叫ぶ側近を蹴飛ばす勇者。

ムカついたからその隣の赤いやつもすっ飛ばしておいた。


ゼェゼェ言いながら二人を睨むアレンに、レイが苦笑する。



「よかったわ」

「え?」

「アレン、変わってないもの」


そう言う彼女のマリンブルーは限りなく優しいもの。

アレンは醒目すると同時に頬を赤らめた。





< 307 / 500 >

この作品をシェア

pagetop