レヴィオルストーリー3
「……脱走作戦を、ずっと考えてた」

「……お前らしいな」


ジスカルにいた間を思い出し呟いたアレンに、ギルクは苦笑してそう言った。

レイも隣で頷き、「自力で逃げたなんてすごいわ」ととびっきりの笑顔を向けてくる。


アレンはそんなレイに若干照れながらも、その褒め文句を否定した。


「……自力じゃない。グロアがいないと無理だった」

「グロア?」

「悪魔の、…女の子、?」


実年齢がわからないため疑問符付き。


そのアレンの言葉を聞いた瞬間、レイは密かに表情を曇らせた。

しかしそれはマケドニスしか気付かず、そのマケドニスも他のことが気になっていた為特に触れない。



「アレン様、俺が聞きたいのはそういうのじゃなくてですね」

「…?」

「悪魔たちに酷いことされなかったか、ってことですよ」


一瞬アレンは目を見張った。


それからマケドニスから目を逸らし、また彼に視線を戻すと囁く。



「大丈夫。…ありがとう」

「大丈夫って…、服、血が滲んで…」

「…大丈夫だから」


怪我は癒してもらったし、そう言ってアレンは少し微笑んだ。

マケドニスは納得しないながらも頷く。




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