レウﾞィオルストーリー３
「置いてくださってありがとうございました。ちょうどマケドニス達がいたので、今日中に帰れそうです」


アレンはそう言うとグロアやルネ、ハルアらに目配せした。

集団は揃って頷くと皇帝と后妃に頭を下げる。


「そうか。早くに会えてよかった。またいつでもおいで」


シンク皇帝は目を細め柔らかく笑んだ。

后妃もそんな皇帝に少しだけ口元を緩める。


「…じゃあ、あんまり長居しても迷惑でしょうし。皇帝、許可を頂きありがとうございました」

「ああ、うん」

「では、失礼します」


マケドニスと皇帝が握手し、それからギルクがグロアらに合図して部屋から出ていった。

グロアとハルアはすれ違い際に勇者に引っ付いた精帝をガン見していたが、アレンもレイもそれには気付かない。



「アレン」

「はい」


自分も礼をして出ていこうとしたところで、后妃がアレンの名を呼んだ。

振り返ると楽しそうに笑うダリアナ后妃がレイを指差す。


「…シンクに聞いた通り、可愛らしい彼女じゃ。お似合いだな」

「………え、あ、」

「ふふっ。よい、行くがよい。お幸せにな」

「………ありがとうございます」




< 313 / 500 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop