レヴィオルストーリー3
ボソリと呟いたアレンの一言で、結局パルス村は却下となった。

次に地図の上の方を指差した勇者様は、ここは結構な空きがあるけど、と前置きする。


「ノスラムシティは北にあるから寒い。山もあるし他の町には出掛けにくい」

「寒さなら大丈夫。ラレスカも冬は冷え込んだからね」


顎に手を宛て考えながら、レノディアはそう言ってアレンを盗み見た。

もちろん気付いたアレンは地図から顔を上げる。


「なあアレン」


ジゼルがアデルの手を引きながら、アレンの服の裾を引っ張った。

その肩にレノディアとハルアの手が置かれる。


「俺、ラレスカに行きたいよ」

「そうよ。ねぇ、どうして戻っちゃ駄目なの?」

「……………。」


じっと見上げてくる目。


碧のそれらをしばらく見つめ、アレンは溜め息をついた。



「…今入れない状態だからって言っただろ」

「なら復興するよ!俺らなら楽勝だぜ!」

「……駄目だ」

「なんで!」


首を縦に振らないアレンにジゼルは必死になって食いつく。

眉を潜めた青年はベッドから降りると、膝をつき少年と目線を合わせた。




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