レヴィオルストーリー3
「……そういうわけで、今ラレスカには誰も入れない」

「……………。」

「…土地にあれだけ強い力があるのは、ラレスカしかなかったんだ」


アレンが話し終えると、エレス族組五人は黙って溜め息をついた。

どうやらわかってくれたらしい、とアレンも安堵する。






「……もう何年前かは忘れたけど…」


しばらく沈黙が続いた中、不意にハルアが口を開いた。

顔を上げハルアを見上げたアレンは彼女の表情に目を伏せる。


何とも言えない複雑な顔をした彼女は、泣きそうな様にも見えた。




「あの時…、悪魔に襲撃されてジオン様が、ラレスカを捨てる決意をした時…」

「ジオン…ジオンティル?」


話の中にあった名前に思わずアレンは反応する。

聞いたことのある名。


墓参りしたあの墓石にも刻まれていたその名は──…



「…そう。ナティアの息子だってならアンタの祖父さんね」


思い出したかのように笑みを浮かべるも、やはりハルアは悲しそうだった。

アレンは眉を潜め話の続きを待つ。




──…ラレスカを捨てる決意をしたのなら、何故あそこにジオンティルの墓があったのか。






< 325 / 500 >

この作品をシェア

pagetop