レヴィオルストーリー3
それから暇になったアレンはルシイルの遊び相手をしていた。

そろそろ仕事してくる、とギルクとレイ、マケドニスが医務室を去り、メディンとリディンは行くところがあると城を出た。


つまりはユーリとルシイルを押しつけるつもりだったのだ。

もちろんアレンの見舞いもあっただろうが。



「カイルくーんアリアちゃーんっ、お昼寝しーましょ~っ♪」


そう言って下手な子守唄を歌い出したイルは、しばらくクナルみたく育児をしながらの仕事になる。

多分これからはマリアンヌ辺りに赤ちゃん世話係を頼むことになるだろう。


それにしても、思わず耳を塞ぎたくなる程の音痴なのに双子がぐっすり眠っているのは何故なのか。


お腹にいる時にこんな歌を聴きまくったというのなら、果てしなく可哀想だ。




「ゆうーりっ」

「おっ、喋った」

「へっへーん!こっち来てから一番に喋ったのが俺の名前なんだぜ!」

「……ルシイルも可哀想に」


本気で哀れんだアレンにもちろんユーリは食ってかかる。

ぎゃあぎゃあ喚くユーリを無視し、ルシイルとリルの頬をつついて遊んでいた勇者。


そしてそんな彼に、また来訪者が訪れる。




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