レヴィオルストーリー3
「アーレーン!やっほー!!」

「……………………。」


元気よく挨拶してきたジゼルに、やっぱり無言で入ってきたアデル。

二人は仲良く手を繋ぎ、医務室に遠慮なくやって来た。


クナルが密かにピクリと頬をひくつかせたが、双子は気付かずアレンのもとへ駆ける。



「…お前ら、医務室で走るな」

「ごめーん。でも姉ちゃん達難しい話しててかなり暇なんだぜ!?」

「医務室は暇つぶしの場所じゃありません!」


怪しい薬片手に女医はついに怒鳴った。

せっかくアレンが機嫌を損ねないようにと注意したのに、これでは意味がない。



「誰?」


クナルをイルが宥める中、ベッドに腰掛けたユーリはきょとんとしてそっくりな少年少女を見た。

ジゼルもユーリを見て首を傾げる。


「俺?俺はジゼル、お前は?」

「ユーリ。あんたは?」

「……………………。」

「こいつアデル。双子!」


何も言わないアデルの変わりにジゼルが答え、よろしくなと笑顔を向けた。


それを見たユーリは何を思ったかにやりと笑う。




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