レヴィオルストーリー3
ぎゃあぎゃあと結局は喧嘩する二人。

なんだかいつかのリルムとルルアンみたいだ。


今はあの時有利な立場にいたリルムが押されているが。



「ふんっ!見てなさいよ、いつか精霊とタッグでぶっ潰してやるんだからッ!!」


べーっと舌を出したリルムは、ぷいとそっぽを向いて歩き出した。

ユーリはそれに倣って足を進めながら、腕を頭の後ろで組んで拗ねた彼女に話しかけ続ける。


「お前って精霊士なりたいんだっけ?」

「そう。12歳だからもうそっちの授業受けてるの。あたし優秀なんだからッ!」

「もしかしてレイさん見て決めた?」



 ──…ピタリ。



さっきまで芝生が奏でていた足音が止んだ。

リルムの動きが、止まったからだ。


ユーリは何だ何だと訝しがりながらも自分も立ち止まる。



「…だ、誰があんなオバサン!」

「オバサン…?まぁいいや!お前、いっつもあの人のこと羨ましそうってか…憧れてるみたいな目で見てんじゃん」

「……………………。」


図星なのか、リルムは黙り込んで何も返さなかった。

何がそんなに嫌なのかわからないユーリは、首を傾げてまた声をかける。




< 355 / 500 >

この作品をシェア

pagetop