レヴィオルストーリー3
「いいんじゃねえの?精帝だし、そりゃ憧れるだろ」

「……そ、そんなんじゃないもん」

「じゃあ何な訳?変な奴ー」


暢気にケラケラ笑いながら言う隊長。

リルムはムッとして振り返ると、言い返そうと口を大きく開いた。


しかし──…



「あら?今帰りかしら」



──…いきなり現れた、その人。


リルムは慌てて開けた口を塞ぎ後ろを見上げた。


案の定そこには例の金髪美女。

精帝レイ=アナチェルが、にこにこしながら自分とユーリを見下ろしていた。



「レイさん!どっから…」

「ふふ、この子よ」


驚くユーリにレイは足元を指差す。

そこには彼女に擦り寄る可愛らしい猫がいた。

うっすらと背中に綺麗な羽が生えている。


「移動の精霊!」


キラキラ目を輝かせるリルム。

レイは優しくマリンブルーの瞳を細めると、その猫を抱き上げた。



「触ってみる?」

「えっ…」


猫を見て興奮していたリルムは、はっと顔を上げる。

レイはどうぞ、と腕の中のそれを撫でた。

それを見てリルムがどうしようか迷っていると、我先にとユーリが動き出す。




< 356 / 500 >

この作品をシェア

pagetop