レヴィオルストーリー3
「い、いいの?」

「大丈夫よ」


にっこりして言うレイにリルムはぱあっと笑顔になる。

わかりやすいなあ、とユーリはそれをニヤニヤしながら見ていた。

そろそろと手を伸ばす少女を見上げる猫は、じっと彼女の瞳から目を逸らさない。



「ちょっと、ごめんね!」


ワクワクしながらリルムは精霊に触れた。

それからそっと抱き上げ、腕に収める。



「わーっ!ふわふわ!かわいい~っ!!」

「よかったわね、リルム」

「うんっ!」


いつもは天敵扱いのレイにも素直になるほど、リルムは猫に熱中していた。

精霊はといえば、目を細めて心地よさそうにゴロゴロ喉を鳴らしている。

更に嬉しくなって、リルムは猫をぎゅっと抱き締めた。



「なぁ、この子なんて名前??」


羨ましそうに少女と精霊を見つめるユーリ。

彼は他の方向に目を向けていたレイに声をかけた。


目線を少年に移したレイは、きょとんとしてから悪戯に笑う。



「うーん、それは言えないわ」

「なんで?」

「リルムがいるからよ」


はしゃぐ少女を指差しちょっと小首を傾げたレイ。


リルムは弾かれたように顔を上げた。




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