レヴィオルストーリー3
「………アレン」
その視線の先には修行中のその人がいた。
こんな離れたところにいてもわかるくらいの衝撃波が、あの場所から発せられている。
しばらく彼の姿を見つめていたレイは、ふと唇を薄く開いた。
「……アレンは、渡さない…」
ぼそりと呟く彼女のマリンブルー。
それは普段からは考えられないほどに冷たい色をしていた。
酷くわかりにくい小さなところで、何かが軋み出す。
そのまま踵を返したレイは、城に向かって真っ直ぐ歩いて行った。
まるで何かに吸い寄せられるかのように──…