レヴィオルストーリー3
23.少年の正体
──…翌日。
勇者の間にて脱走組が集まり、これからのことを相談していた。
「ルネ、本当にいいの?」
そんな中でグロアから発せられたこの言葉。
その真意がわからず、訊かれたルネは無表情ながらに首を傾げた。
「…何が?」
「ヘレヴィア。戻らなくてもいーの?」
「………ああ…」
あっさり頷いたルネ。
ちょうどその時、会談が終わったらしいアレンが扉を開いて部屋に入ってきた。
「疲れた…」
「おっつー」
ジャケットを脱ぎながら歩いてくる勇者にかかるねぎらいの言葉。
顔を上げたアレンは、無表情でその言葉の主を見下ろした。
後ろを歩くマケドニスが苦い顔をしている。
「…何でお前がいる」
「いやー親衛隊隊長だし?」
「そこから降りなさい」
睨むアレンに注意するマケドニス。
そうされた本人、ユーリはへらへら笑って「いいじゃんいいじゃん」と王座に肘をついた。
「一回こーゆう椅子座ってみたかったんだよなー」
「降りろ」
「やっだー」
「落ちろ」
一言冷たく言い放ったアレンは、言葉の通りにユーリを王座から突き落とした。