レヴィオルストーリー3
「お前らの好きな時に引っ越せばいいから。こっちにいて少しずつ準備してもいいし…」

「わかった。ホントに何から何までありがとう」


感謝してもしきれない、そう言うレノディアに周りの皆も頷く。

アレンは「こっちこそ」と答えると、グロアを見て目を細めた。


「…俺もグロアがいなかったら戻って来れなかったから」

「! や、やだぁ~っそんなっ照れるっ!!」


真っ赤になりながらも嬉しそうに言う悪魔の少女。

アレンは今度はそれを冷めた目で見る天使の少女に話しかけた。



「ルネ」

「…何」

「お前は戻らなくていいのか」


先程のグロアと同じ問い。

ルネはふぅと息を吐くと、リィを撫でながら目を伏せた。



「……今のヘレヴィアは嫌い。それに戻っても、私は受け入れられない」

「…は?」

「ダミーがいるから」


床を見つめて溢したルネに、アレンは怪訝そうな顔をする。

“嫌い”は理解出来なくもないが、“ダミー”とは何なのか。



「なぁ、ダミーって?」

「にせ物。悪魔の特殊能力」


知らないの?と訊く少女に、マケドニスが眉を潜めた。

そんなもの聞いたことがない、とでも言いたげだ。


訊ねた本人のユーリもきょとんとしている。






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