レヴィオルストーリー3
「ま、今はそんなこと言ってる場合じゃないけどなぁ」


とにかくレイ奪還が最優先事項。

明るく言い放ったギルクに、アレンもイルも頷いた。


きっとまた仕事が溜まってしまうが仕方ない。

仕事より仲間。レイをとる。



「失礼します」



ちょうど静まり返った頃に響くノック。

そちらに顔を向けた三人は、マケドニスとルネの後ろに他に一人見つけ、少し目を見張った。


「ルティ?」

「おう。話は聞いたぜ!俺も協力する!」


やたらとでかい声はやはり彼のもの。

頼りになりそうな彼に、イルが嬉しそうに走り寄った。


一方マケドニスとルネはアレンとギルクのところまで行く。

そんな少女はふと首を傾げ、一言発した。



「何?」

「…天使のこと訊きたい」


めちゃくちゃ短い会話。

思わずマケドニスはギルクと苦笑した。

アレンの言葉を訊いたルネの方は、首の傾げ具合を更に深くする。


「なんで」

「…仲間が操られてるかもしれない」

「洗脳?」


──…聞き慣れない言葉が天使の少女の口から放たれた。


それだ、とピンと来た勇者は身を乗り出して「詳しく」と呟いた。

“洗脳”について詳しく知りたい、ときちんと理解したルネは頷いて可愛らしいピンクの唇を開く。




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