レヴィオルストーリー3
「洗脳は天使の特殊能力。魔法とかで操るより遥かに強いわ。

脳にね、直接作用するの。本人の心はあるままに、その意思を操る」

「意思を??」

「思考とも言えるかもしれない。考えることを操られるって言ったらわかる?」

「……ん、なんとなく…」


普段は物分かりが結構いいアレンだが、今回ばかりは歯切れ悪く言う。

やっぱり冷静に見えて動揺しているんだろう、とルネの言葉で理解出来たマケドニスは心配そうに眉を下げた。

元から魔法やら能力やらに疎いギルクは、いつも通り?を飛ばしているが。



「どうやったら洗脳は消せるの?」


大人しく話を聞いていたイルが、ルネを見据えて質問する。

そちらを振り向いた少女は無表情で、肩の上のリスを撫でながら教えてくれた。



「金紅石。特殊な石。天使は洗脳されないように大抵石をブローチにして身に付けてる」

「きんこうせきぃ…?」


眉間にしわを寄せる武帝。

頭がパンクしそうだ、と呟いて彼はアレンを見上げた。

勇者は考え込んで黙っている。


「金紅石はヘレヴィアでしか採れない。…地上には売ってもいない」

「……ルネのは?」

「…悪魔に捕まったときに取られちゃったわ」







< 390 / 500 >

この作品をシェア

pagetop