レヴィオルストーリー3
相変わらず表情を動かさずに言うルネ。

マケドニスが困ったようにアレンを振り返る。


「どうします?まさかヘレヴィアには行けないですし…」

「……天使なら普通持ってるんだよな?」

「? だからルネさんがそう言ってるじゃないですか」


側近の問いに質問で返す勇者。

彼はしばらく俯いて目を伏せ考えてから、不思議がる皆を見上げた。



「ヴァンヌを探そう。あの人だったらその金紅石っての、持ってるかもしれない」

「!」

「た、確かに…」


各々目を見張る四人。

ルティだけは何故か嬉しそうに目を細めた。


そんな中、ルネはその名前を聞いて訝しげにアレンを見つめる。


「ヴァンヌ…?」

「ん、…知ってんのか?」


何だか意味ありげなルネの眼差しにアレンは首を傾げた。

滅多に動かない表情が変わったのを見て、ギルクもイルも驚く。


しかしルネの次の言葉の方が、もっと驚くものだった。







「……私の、お姉ちゃん」






「そっか。……え?」


思わずアレンも聞き返す。

なあに、と目で訴える天使をまじまじと見つめてしまった。





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