レヴィオルストーリー3
「《位置断定》」


小さく囁いて瞼を下ろすアレン。

魔力が風となり、アレンだけでなくギルク達の衣服もパタパタとはためいた。


しばらくするとそれは収まり、眩い金色もその存在感を消す。

一瞬首筋に手を宛てた勇者を、天使は唖然として見ていた。



「もうっ、アレンったら…あたしがやったのにぃ」


そうイルが頬を膨らます中、目を開けたアレンはまた東の空を見上げる。



「…灯台もと暗し、か」

「? 灯台もっと暗いぃ??」

「違いますギルク様」


またまた?マークを飛ばすギルクに、マケドニスは優しくツッコむ。

アレンはそんな側近を呼んで確認をした。


「どれくらい空けれる?」

「…辛うじて明日一日ですね」

「……一日…」


ふむ、と考える勇者。

彼はルティが「結局どこにいたんだよ」と訊ねるまで、ずっとそうしていた。

訊かれて顔を上げたアレンは、東を指差し答えてやる。


「アルヴェイン」

「そうか。……アルヴェイン!?」

「だから灯台もと暗しって言ったんですね…」


まさかそんな自国に近い場所にいるとは思わなかった。

意外そうに驚く周り。


アレンは少し考えると、イルを振り返った。





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