レヴィオルストーリー3
アレンと握手した手をほどいたシンク皇帝。

彼はくるりと六人を見回し、微笑んだ。


「一旦中に入るかい?外は寒いだろう」

「あ…はい。ありがとうございます」


ルティから目配せされてアレンは頷く。

皇帝が率先して先を歩くと、ユーリは今度はアレンの後ろに回ってその影に隠れた。


「ユーリ」

「だ、だってさ…」

「……ちゃんと話してあるから」

「…うん」


隠れていることを怒られているのではないと気付いたユーリは、少し俯くものの安心したような表情。

そのくすんだ金髪をくしゃりと撫で、アレンは先に進んだ。






「ここでいいかい?人数も多いしね」


そう言う皇帝に案内されたのは、応接間の脇にある広めの部屋。

頷いたアレンは足を一歩踏み入れ、それから立ち止まった。


「…おはようございます、ダリアナ后妃」

「おはよう。こんなに早く会えるとは思わなかった」


女性にしては少し低めの声。

后妃と呼ばれたソファーに腰掛けるその人を見て、ユーリは目を見開いた。


アレンの後ろから覗き込んでいたのだが、不意にばっちり目が合う。


──…自分と、同じ瞳と。






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