レヴィオルストーリー3
「私達、昔デート中に密売者に捕まったの。それを貴方のお父さんとルティさんが助けてくれた」

「それが私達とウィスカさんルティさんの出会い。その時に約束したんだ。困ったことがあったら、時渡りだろうと何だろうとやってやるって」


懐かしそうに語る二人。

アレンは少し驚いた。

何故父と知り合ったんだろうとは思っていたが、まさかそんなことだとは。


「結局ルティさんもあの人も私達にそれを頼むことはなかったけど…」


だから20年越し、と苦笑するアンナにルティは「そうだな」と返し笑った。

アレンは黙って頭を下げる。

隣でイルとマケドニスも慌てて同じようにペコリと礼をした。

それを見たエルフ二人は顔を見合わせ頷き合う。


「うん、わかった。理由が理由だしな…アレン君にもレイちゃんにも世話になったし」


主にルルアンが、と溢したローレム。

その言葉に隣の部屋の扉がガタリと揺れた。

大方本人が盗み聞きでもしているのだろう。

しかしさして気にもしていないのか、アレンが内心ほっとしているとローレムは立ち上がり四人を見回した。






< 427 / 500 >

この作品をシェア

pagetop