レヴィオルストーリー3
「そうだな。一階に運んだ後の方が見つけやすいし。街に運ぶときに割ったんならそん時は無事な筈だ!」

「そか、そういうことかぁ」


ポンと手を打つイル、納得したのか感心顔のマケドニス。

アレンはしばらくきょとんとしてから我に返って一応頷くと、ローレムに向けて「それでお願いします」と頼んだ。



「わかった。でもこちらからも注意があるんだ」

「…注意?」


少しばかり不安そうな顔をしたアレンに、夫の隣で優しく微笑むアンナ。

簡単なことよ、と一言断ってから彼女は言う。


「絶対に今現在この時に生きている人間には見られては駄目。その人の記憶が混乱するからね」

「あ…はい」


素直に了承の返事をしたアレンに、ローレムもアンナも頷き返してくれた。

ローレムはルルを呼ぶとその首輪に一度触れ、アレンの傍につかせる。


「その子は何度か時渡りしているから、連れていくといい。目的の物を見つけたらルルの首輪に触れれば戻れるよ」


そういう魔法をかけたから、と説明するローレム。

アレンはルルの頭を撫でて「頼むな」と囁いた。

嬉しそうに一鳴きしたルルはアレンに擦り寄る。





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