レヴィオルストーリー3
「…って、いやいやいやいやちょい待てぇえ!固まってる場合じゃねぇ!追いかけるぞアレン!」

「まじかよ…」


うんざりしながらアレンもそこから身を乗り出す。

てってけてーとでも効果音がつきそうな軽やかさで、ルルは早くも姿を消していた。

やたら慌てるルティにも若干うんざりする。


「あっちに走ってったよな」

「ああ!」

「あそこは分かれ道だけど…」

「…………………。」

「…………………。」

「…………………。」


実際にそこまで行ってみて、やっぱりかと二人は肩を落とした。

見事に足跡一つ残っていない。

これではどこにいるか全くわからない。


「なぁアレン、位置断定…」

「…魔法使ったら目立たないか?」

「…………………。」


目立つ。

すなわち、見つかる。


ルティは諦めて別れて探そうと言い出した。

頷いたアレンはさっきの茂みで待ち合わせしようと提案する。


「じゃあ…」

「…また後で」


まさかの事態に少し不安になりながらも、二人は二つの道に一人ずつ進んでいく。

ちらりと城を見て、早く皆がそこから出てくれないかとアレンは少しばかりイライラした。


そうすれば、金紅石を持って帰れるのに。






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