レヴィオルストーリー3
「ルルー…」


迷子のワンちゃんの名前を小声で呼びながら、青年は木陰やら茂みの中やらを進む。

一体あの犬は何がしたかったのだろうか。

不思議に思うと同時に恨めしく思いながら、身を屈めてとりあえず道を辿った。

こんなこと、本来の自分なら考えられない。




「…めんどい」


あれからしばらく捜しまわった。

しかし目的のルルも見つからず、ボソリと漏れた本音。


アレンはもう先に金紅石を盗…取りに行こうかと、溜め息をつきながら考えた。


そうだそうしよう、ルル捜しはルティに任せればいい。


めんどくさがりアレンは何とも勝手なことを心の中で呟き、結局城に向かうことに。

ここからだとこのまま真っ直ぐ進んだ方が早いな、と判断してそのまま突き進む。


「さっさとしたいんだけど…」


そう呟きながら、あまり人のいない場所に来たからと人目を気にせず隠れもせず堂々と歩いた。


ちょっとチャレンジャーな男、アレン。

別に投げやりな訳ではない、…きっと。


が、そんなアレンはすぐにしゃがんで身を潜めた。


前方から、不意に話し声が聞こえたからだ。



(危ね…)


あんまり調子に乗るもんじゃないな、そう反省した瞬間。






< 435 / 500 >

この作品をシェア

pagetop