レヴィオルストーリー3
「いやーしかしこの城ともお別れかあ」

「改めて見ると感慨深い、ですか?」

「あぁ。ある意味第二の家だな!」


ありがとな城ー、などと言いながらそれに手を振る42代目勇者。

アレンはぽかんとしながらその行動を見ていた。


(……電波?)


電波なのか?

まさかの不思議系?



「でも大丈夫なんですか?」

「ん?」

「ナティア様とアレン君ですよ」


訊ねた男性にアレンはどきりとした。

自分の名前が、出た。


奇妙な感覚に陥りながら、二人をじっと眺める。



「二人がどうした?」

「まずアレン君…。もう全然会っていないんでしょう?」

「あぁ!会うのが楽しみだ」


ニコニコするウィスカに男性は困ったような顔をした。

そうじゃなくてですね、と付け加える。


「アレン君ビックリしませんか?」

「ん?いきなりお父さんだよって現れたらってことか?」

「はい」


頷く男性。

ウィスカはそうだなー、と考えてからまた笑う。


「そん時は慣れるまでだ」

「…相変わらず楽観的な…」

「大丈夫!愛情だけは人一倍あるから」


そう言って微笑むウィスカに、アレンはギルクがたまにするような父の顔を見た。

そうして先程の彼の発言に無意識に手をギュッと握る。






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