レヴィオルストーリー3
「まぁ…本当はアレンがもう少し大きくなったらこっちに呼ぶ予定だったんだけどな」

「そうなんですか?」

「あぁ。でも俺たちには時間がないから」


今度は笑みは笑みでも儚い微笑。

それを見せたウィスカに男性は表情を曇らせた。


「…ナティア様、ですか」

「…あぁ。知らなかったじゃすまされないよな。あれだけ待たせてあと数年なんてさ」


そう溢す勇者の表情は、──…嘲笑そのもの。

自嘲的に言う彼に、男性は眉を下げた。


「…ご病気なんですか?」

「いや。寿命だとさ」


42代目勇者は笑みを消し、呟く。

何の話かわからず、アレンは眉を潜め耳をそばだてた。


ウィスカは病気なのだろうか?




「あと長くて三年。…エレス族って、ほんとに短命なんだな。力が強すぎて、知らない間に身体を蝕んでる」

「……だから戻ることを決めたんですね」

「まぁそーなるな」

「…ナティア様、不安だったでしょうね…」






(…………え?)





聞こえてきた内容に、アレンは耳を疑った。


(……母さん?)


寿命。



エレス族の、短命さ?









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