レヴィオルストーリー3
(…三年…)


この過去の時点から三年後。

──…母が、自分を庇って魔王に殺された年。





──…彼女はもとから、死に近付いていたということか?











「実は、さ…話してなかったけど」


しばらく固まっていたアレン。

彼はこのウィスカの声にはっと現実に戻された。


どこか楽しそうな声色に、男性と共に首を傾げる。



「レイちゃんに会ったあと、カルアシティに行ったんだ」

「え!?いつの間に…」

「はは、サボる予定だった時間ゆうに越してアナチェル待たせちまったろ」

「……、貴方が見つからないから…。しかもアナチェルさんは貴方を見たって言うし。そんなとこいたんですね」


呆れた様子で溜め息をつく男性に、ウィスカは愉快そうに笑い声をあげた。

予想外の発言にアレンの方は目を白黒させ混乱する。



(…アナチェル?)


話の流れ的にはレイの父ローゼのことだろう。

レイが父と会っていたというのは知っていたが、まさかローゼも?


でも、それならば。




何故アレンがはじめて彼に会ったとき、メディンやルティのように反応しなかったのか。








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