レヴィオルストーリー3
「それでな、久しぶりに家に行ったんだ」


弾んだ声で話すウィスカ。

その横顔は、これでもかというくらいキラキラしていた。


下手したら俺なんかより何倍も子供っぽいんじゃないか、と苦笑するアレン。

そしてそんなアレン自身は、じっと身を潜めそこから動く気はないらしい。



「ちゃんといた。俺の生まれ育った家に。驚いてたなぁ、アレンは友達と遊んでるとかでいなかったけど」


ウィスカは相変わらず目を細め喋る喋る。

隣の男性はそれを同じように嬉しそうに眺め、何回も相槌を打っては笑った。




「…やっぱり楽しかった。ナティアと話してたら落ち着くんだよな」

「ナティア様も以前そう言っておられましたよ」

「本当か?嬉しいな」

「ちょっと、頬が緩んでますけど」


勇者ともあろうお方が何て締まりのない顔をしているんですか、と男性は冗談ぽく言ってみせる。

ウィスカはまたケラケラと笑うと、左手を上げ薬指についた指輪を眺めた。


シンプルな、結婚指輪。



「残り何年かはわからないけど…三人の時間を大切にしたいな」

「…貴方のような夫を持って、ナティア様も幸せですね」

「ははっ。本当ならもっと早くにこの職をやめるべきだったんだけどな」





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