レヴィオルストーリー3
「いいえ。…そうですね、お待ちしてます。貴方とナティア様のお子様も見てみたいですし」


穏やかなその返事。

ウィスカは満足そうに頷いた。


それから悪戯っぽく肩をすくめ、メディンに笑いかけるとまた声を弾ませる。


「カルアシティに行った帰りに、遊んでるのを遠目に見かけたんだけどさ。昔の俺そっくりだった!」

「それなら将来有望ですね」


そう言って愉快そうに笑う二人。

自分の話題に何となく恥ずかしくなりながら、アレンは父が自分を見ていたらしいことに少し驚いた。


話しかけてくれればよかったのにとも思うが、きっと幼い自分は彼を不審者か何かだと思ってしまうだろう。

確かにそれは彼からしても自分からしてもいただけない。



「俺は剣士になってほしいなー。二人で特訓するんだ」

「調子に乗ってお子さんを吹っ飛ばさないで下さいね」

「…そんなことしたらナティアに殺される」


そんな感じに何でもないことをとても楽しそうに話す父と師匠。

アレンは少しだけ自分も笑うと、そろそろルルを探さなければいけないと名残惜しく思いながらもその場を去ろうとした。


しかし、その前にウィスカが「あ、」と声をあげたので慌てて浮かしていた腰を下ろす。





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