レヴィオルストーリー3
「ギルク君はいくつだ?」
思わず溜め息をつきそうになっていると、また自覚のない父は話しかけてきた。
幼い子供に話しかけるような調子の彼。
最近やっと城の大臣クラスに大人になったと認められたのに、となんだか面白くなかった。
というより、かなりむず痒い。
実の父とこうして話して、そしてその笑顔が自分に向けられているということが。
「…19」
とりあえずアレンは囁き答えた。
なんだか色々な感情が胸の内を支配してしまい、どうすればいいのかわからなくなって地面を見つめる。
「19!俺の人生の転機の年と同じだな!」
「人生の…転機?」
ちょこんと体育座りをしたウィスカの言葉に、アレンは首を傾げた。
わかっていない彼に苦笑しつつ、男性はにっこり笑って人差し指を立てる。
「勇者になった」
「あ…」
そういえば、と城にあった記録を思い出す。
ルティやメディンからも聞いていた。
彼は当時最年少の19歳で、勇者の職に就いたのだと。
「あれはまさかのだったな」
「…どうして勇者に?」
「んん?あー、41代目を倒してな…」