レヴィオルストーリー3
懐かしむように空を眺めるウィスカ。

アレンもつられて晴れ渡ったそれを見上げた。


雲一つない、青空。




──…後に、悲劇を見ることとなる空。




そっと、視線を隣に戻す。

何も知らない彼は、空を見上げたまま何が嬉しいのか始終にこにこ顔。




(…もし今、この後のことを教えたら…)


目の前の彼は生き延びて、そして──…








「きっかけは何でもないことだったんだ」


不意にこちらに目を向けたウィスカが、いきなり発言した。

ハッとしたアレンは頷き、慌てて彼から目を逸らす。




(駄目だ)


そんなこと、してはいけない。


未来を変えるだなんて、


…自分のために力を使ってくれたローレムに申し訳が立たない。




「41代目がカルアシティに来てな、視察してたんだ。前から権力振りかざしてた人で、態度にムカついた友達があの人に襲いかかっちまって…」


友達は殺されかけ、そして気付いたら体は動いて──…



「倒しちゃったんだよな、これが。まぁ41代目は随分年だったし弱ってたみたいだけど」

「…………………。」

「それからしばらくして41代目は病気で倒れて、…俺に城の使者が来た」







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