レヴィオルストーリー3
黙って聞くアレンに何を思ったのか、「しょうもないだろ」とウィスカは笑った。

黙って頭を横に振った青年は、地面を見つめたまま。


ウィスカは苦笑して、そんな青年の肩を叩いた。



「でもな、後悔してない。勇者になったから奥さんと会えた。後は行方不明の家族を探すだけ」

「………行方不明…」

「ああ。妹夫婦やらが急に消えてな…検討はついてるけど」


スッと目を細めた父。


──…鋭く光る、藍色の瞳。


いつかレイに、戦うときの瞳が好きだと言われたのをアレンは思い出した。



…自分の瞳も、こんな風に光るのだろうか。




「勇者って深いんだぜ」


自分を見上げる青年に、ウィスカは笑みを広げ続ける。


「公には知られてない勇者である“意味”とか…地下にあるクリスタルとか…」

「…………………。」


…そんなことを軽々と話していいのか。


一応あちらからすれば自分はどこの馬の骨ともわからぬ者。

それなのに、よくもまぁそんな笑顔でベラベラ喋る。



「四大国王ってのがあってな、勇者はその中でも最強でなくちゃいけないんだ」

「…制裁者、だから?」

「お?そうそう。知ってるのか?」






< 451 / 500 >

この作品をシェア

pagetop