レヴィオルストーリー3
ずっと黙っていたアレンが受け答えしたことで、ウィスカは嬉しそうにはにかんだ。

なんとも幸せそうな顔。

何がそんなにいいのかわからず、アレンの方は少し戸惑ってしまう。



「リシェラルクの教皇が争いの制止者。アルヴェインの皇帝は争いの監視者で、南大陸の数多の国を束ねる帝王が争いの調整者。

まず制止者が争いを食い止める。それが無理だった場合監視者が両国を見張って、その間に調整者が争いを外から調整する。

そうして四大国王で戦争を行なった国に対しての処罰を決めて、それを下すのがレヴィオルの勇者である制裁者」


すらすらと長い台詞を言ってみせた父は、言い終えてからアレンに微笑んだ。

ちょっと対応に困ったアレンは、とりあえず頷いておく。



「もし四大国王のいる国が戦争すれば、それに鉄槌を下すのは勇者。だから勇者は多彩な戦法のあるレヴィオル国で最も強いと詠われる者がなるんだ」

「最も強い…」


そんな自信はないな、と溜め息をつく。

何せ自分はまだまだ教えてもらっている身。

現に闇王ダーチェスには全くもって敵わなかったし、今もレイを天使らに奪われてしまっている。






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