レヴィオルストーリー3
「……いっちゃったか…」
最後まで手を大きく振ったウィスカ。
彼はアレンの姿が見えなくなると、その手を下ろし微笑んだ。
「探し物、か。見つかるといいな、アレン」
父さんは影で応援してるよ、そう呟いてから腰に両手を宛てる。
「さてと。今日は来客が多いな。そこにいるのは…ルティか?」
またまた違う茂みを見下ろす42代目勇者。
ガサガサ、と動いたそこからは、やはりというかなんとうか黒い髪に藍色の瞳の親友。
しかし自分の知る彼とはいくらか違う姿に、ウィスカは少し目を丸くした。
「あれ?老けた?」
「ばっかやろー!察しろよ!うううっ」
「もしかして泣いてる?おっさんが泣くとかなりイタイぞ」
「おっさん言うな!心は29のままだ!」
…威勢よく言うのはいいが、なんだか微妙な数字。
男泣きするルティにウィスカは困ったように首を傾げた。
何故にこいつは泣いているのだ。
(…あ、もしかしてさっきの会話を聞かれてた?)
そうだそうに違いないと確信したウィスカ。
そしてそれは当たっている。
ウィスカはとりあえず地面に腰を下ろすと、ルティをじっくり見てから苦い顔をした。