レヴィオルストーリー3
「アレンが19だったから…うわ、43歳のルティか」

「うわとは何だうわ、とはあ!」

「うるさいのは変わらないんだな。海賊王」


ついでに気配も変わっていない。

だからこそ先程、ルティの名を言い当てれた。

14年経っても見た目ほど中身が変わっていない親友に、安心したのか微笑むウィスカ。


「世界一周からもう帰って来たのかと思った」

「残念、未来の俺でした」

「うーん…残念ではないな」


面白いモン見れた、と勇者は笑った。

ルティはきょとんとしてから白い歯を見せて笑む。

彼は笑い方も変わってないんだな、そう言われ何故か照れたかのようにはにかんだ。

そうして別に褒めてねーよと突っ込まれる。







「まぁあれか。14年後には俺はいないんだな」


座り直したルティを眺めながら、ウィスカは特に嘆くでもなくぼやいた。

ギクリと肩を震わすルティ。



「時渡りで来たんだろ?」

「あ、あぁ。その…悪いな。死の宣告みたいなもんだよな、これ」

「んー、まあ死んだもんはしょうがないだろ」


深く考えるのがめんどくさいのか、頭を掻きながらそう言うとウィスカはまた苦い顔をした。

何だなんだと驚くルティに、そんな必要はないのに声を潜める。



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