レヴィオルストーリー3
そこらへんもわかっているウィスカは、大して気にせず彼を見上げた。

元からルティの方が身長は高い。


しかし14年でまたほんの少し伸びたようだ、大人でも成長はするらしい。



「14年後の帝王はどんな感じだ?」


ちょっとだけ変な気分になりながら、おっさんになった親友に訊ねてみる。

あまり訊きすぎるのもよくないだろうが、そこは本人に調整してもらおう。



「んー、それがよぉ…。出てこないんだよな、大陸ってか城から」

「なんだそら…。アレンも大変だな」

「そうだなぁ…。今はアイツと教皇と皇帝と、あと首相がたまに入って何とかしようとしてる」


そこまで言ったところで、はたと動きを止めたルティは首を傾げた。

何だと瞬きしながら見ていると、ぐるりと振り返りこちらをジッと見つめる。



「…何だ」

「いや…なんでアレンが勇者になったこと知ってんだろうって思って…」


ああ、そういうことか。


納得したウィスカは微笑む。

先程の息子との会話を思い出すと、どうにもおかしくなってしまうのだ。




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