レヴィオルストーリー3
「ルティ!」

「よおアレン」


何やら急いだらしいアレンは、少し息切れしていた。

どうしたんだと訊けば、今も城にいる臣下に見つかりそうだったとのこと。


息を整える親友の息子を見守りつつ、ルティは何かをくわえている犬に目を向けた。

くわえているのは紅い色の石のようだが…。


「…ルルが金紅石掠め取ってきてくれたんだ」

「おお?まじか!」


ルティの目線に気付いたアレンは、報告するとルルからそれを受け取った。


どうやらこの大型犬、その為に一匹突っ走っていったらしい。

しかしその大きな体でどうやってそんなことをしてのけたのか。


褒めてとばかりに擦り寄るルルを撫でてやり、アレンは息を吐いた。



「……これでレイが戻る」

「…そうだな。じゃあ戻るか?」

「……………………。」


その質問には黙り。

ルティは迷っているらしい彼に苦笑を溢した。




──…わかっている、本当は。


アレンが何故わざわざこの“今日”という日を選んだのか。


そして自分もそれに乗っかった。

この目で、確かめたかったから。





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