レヴィオルストーリー3
しばらく二人で思案してみたものの、魔術以外で完璧に気配や姿を消すのは無理だということしかわからなかった。

イライラしだしたアレンにも考え込んでいるルティは気付かない。


「はぁ…、魔力使ってもバレない場所とかあればいいのになぁ…」


溜め息一つと共に呟く。

そんな都合のいい場所があればいいのだが、生憎そんな具合には世界は出来ていない。


出来ていない、が…。



「…あ」

「ん?どうした」


ふとアレンが声をあげた。

何かを思い出したかのような表情に、ルティは首を傾げる。


そんな彼を見つめ、アレンは少し嬉しそうに口を開いた。



「…ある」

「…へ?」

「魔力を使っても、バレない場所」

「…まじか?」


半信半疑なルティ。

そんな話は世界中を航海する海賊王でも聞いたことがない。


しかし確信を持っているのか、力強く頷いたアレンは早速とばかりに歩き出した。



「どこだ?それ」


本当にいけるのか。

そんな質問は自信満々な横顔に消えていく。


アレンがいけると言ったらいけるのだろう。


彼は根拠もなく根も葉もない事を言う人間ではないから。





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