レヴィオルストーリー3
笑う魔王。

苦い顔をするウィスカ。

話を聞いていたアレンとルティも、険しい顔付きになる。



〈これ以上の話はいいだろう?早く我を倒したくて仕方がないだろうに〉

「……うん、もう話してくれなさそうだし」


呟いたウィスカは剣を抜いた。

アレン愛用の、真っ赤な宝石がついた剣。


それを見たアレンは、複雑そうに彼を見つめた。

そんな青年に海賊王が声をかける。



「なあアレン」

「…ん?」

「お前のあの剣ってよ…どこで見つけた?」


その質問に、アレンは振り返らず父を見つめたまま口を開いた。



「…家の、階段下の物置」

「物置ぃ!?」

「母さんが、…そこに父さんのものを保管してた」


絶対入るなって言われてたから、見つけたのは母さんが亡くなってからだけど。



そう答えたアレンにルティは眉を下げる。



母親が亡くなり、父親は存在すら知らず。

そんな中見つけた、父の私物。


少なからず希望を持っただろう、まだ父は生きているかもしれないと。


しかし、彼は母親よりも早くに亡くなっている。



そんな現実を残酷にもアレンに告げたのは、──…自分だ。







< 471 / 500 >

この作品をシェア

pagetop