レヴィオルストーリー3
「これで僕が死んだことになるね。一年もすれば魔術は解けるけど」

〈相変わらず気味の悪い魔力だな〉

「でしょー。何かは教えてあーげないっ」

〈いらん。興味もない〉


早くしろ、と急かす魔王にもクルーズは掴めない笑顔を向けた。

わかってるよー、などと言いながら先程より強い魔法陣を広げる。



「《希望の存在なんか忘れちゃえ》!」



彼が言葉に魔力をのせて言うと、魔法陣から強い風が起こった。

それは大きな輪をつくり広がっていき、人々をすり抜ける。




「終了ーっ」

〈本当にこれでウィスカ=ブロドニスは忘れさられるのか〉

「名前は語り継がれるから無理だろうね。けど、ウィスカ様の人柄や容姿は忘れられるよ。だから余計に彼の強さが引き立てられる」


彼と親密な人間には無効だろうけど。


そう付け足したクルーズに魔王は顔をしかめた。

しかし気を取り直し、マントを翻すとニヤリと笑む。



〈まぁいい。これで我が倒したと謳えば我は最強の存在となる〉

「そーですね!」

〈…貴様のその気にくわない態度ともおさらばだ〉

「うん、僕はレヴィオルからはいなくなるしー」

〈結局貴様は何をしたかったのだ?〉

「言ったじゃん。42代目を殺したいって」





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