レヴィオルストーリー3
その彼の言葉に、その場にいた全員が──沈黙。
やがてその空気に耐えられなかったのか、ユーリがキョロキョロとアレンやらレイやらを意味もなく見だした。
「………え?どういう…」
レイは目を丸くして目の前の家族三人に訊く。
デスティンはアレンを見ていた目をレイへと向けた。
「……言葉の通りだ。最近、追手のレベルが上がっている。
まだこの子の存在はバレてはいないから、安全なところに預けたい」
「……デスティン達はどうするんだ」
最早睨む勢いで鋭い視線をぶつけるアレン。
彼はそう訊ねると話題の渦中のルシイルをちらりと見た。
──…すやすやと眠る男の子。
普通の赤ちゃんのようだが、その正体は史上初の天使と悪魔の子供。
「……私達はしばらく逃げるわ。そんなにすぐやられる程柔じゃないし。
落ち着いたら、ルーのこと迎えに来るから。
それまでお願いだから匿ってあげて…」
泣きそうな顔でそう言ってくるヴァンヌに、アレンは複雑そうな表情を向けた。
(…別に、匿うのはいい。)
子供を保護するのははじめてではないから。
だけど、こんな小さな子を親から離すのは、正直よくないと思う。
──…事情は深刻なものだが。