レヴィオルストーリー3
「ごめんねヴァンヌ、でもミカエル様のご命令なんだよねぇ」


クスリと笑うラヴァネに、悪寒を覚える。

その彼がスッと手を掲げ、周りにいた天使が一斉に二人に襲い掛かってきた。



「ヴァンヌ!」

「わかってるわ!」


矛を握るデスティンの張り詰めた声に、ヴァンヌも自らの武器の弓矢を空中から取り出す。

羽を出し飛び立ち、ギリリと狙いを定め放った光の矢は空中で分散し、見事かつての仲間であった天使達に命中した。

その後にデスティンが魔力を込めた矛を振ると、斬撃の軌跡から魔力弾が飛び散り残った敵を仕止める。



「さっすがぁ。レヴィオルで修行しただけあるねー」

「兄さん!どうして…っ」


兄に訴えかけるヴァンヌだったが、不意にデスティンがその体を引っ張り言葉は途切れた。

その直後、彼女の鼻先を闇色の刃が掠める。



「!? 天使以外にも誰か連れて…、」


叫ぶ途中に現れたその攻撃の主。


ストン、と地に足を付けたその“人”に、ヴァンヌはおろかデスティンまでもが目を疑った。





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