レヴィオルストーリー3

ヴァンヌらに会いに行く途中に出会ったカメラマンだと名乗った彼は、自分をクルーズと言った。

そして、過去に行った自分が見たのは、43代目――クルーズ=ジェイラスが、父を短剣で刺しているところ。


その43代目の顔に、アレンは確信したのだ。


何故か14年経った今も、全く変わっていないその顔。


父を刺した短剣は、自分が短期間だが教皇から預かり身に付けていたものだった。




「今日、過去に行きました。そこで、43代目がその短剣を使っているのを見た」

「ちょ、ちょっと待ちなさいな。彼は遺体も見つかりましたし、亡くなった筈ですわ」


慌ててサリルナ教皇は青年の言葉を遮った。

アレンはその反応に当然かと思いながらも、その言葉を否定する。



「あの遺体は、俺の父のものです。43代目と魔王が小細工のために、その姿を魔術で変えたもの」

「えっ…、」

「43代目と魔王は手を組んでいたんです。闇王の話をしていたから、43代目がラレスカに近付いた理由も伺えると思います」



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