レヴィオルストーリー3
やがて青年は振り返り、目があった側近に苦笑いをしてみせた。
この二年で、本当に様々な表情を見せてくれるようになったと思う。
嬉しい気持ちをそのままに、側近は主人である彼に微笑みを向けた。
「終わりましたか」
「ん。…ありがとな」
「いいえ。これからは、忙しいですからね。その前に来れてよかったじゃないですか」
その言葉に頷き、アレンは墓に背を向け歩き出した。
マケドニスはその背中を追う。
が、ふと立ち止まるとちらりと後ろを振り返り、一度だけ礼をした。
「…マケドニス?」
「あ、すみません。今行きます」
「…何してたんだ?」
「何でもないですよ」
変に柔らかい笑顔で言う側近に、アレンは眉根を寄せた。
そして一言、呟く。
「…気持ち悪」
「んなっ!?何ですかそれ、酷くないですか!?」
「っせぇな変態」
「…レイ様に言い付けますよ」
「仲良しねって笑われて終わるぞ」
勝ち誇った笑みで言う黒アレンに、マケドニスはムッと顔をしかめてみせた。
しかし確かに想像してみるとそういう結果になってしまう。
そこでマケドニスはにやりと笑うと、アレンを肘で小突いた。