レヴィオルストーリー3

やがて青年は振り返り、目があった側近に苦笑いをしてみせた。


この二年で、本当に様々な表情を見せてくれるようになったと思う。



嬉しい気持ちをそのままに、側近は主人である彼に微笑みを向けた。




「終わりましたか」

「ん。…ありがとな」

「いいえ。これからは、忙しいですからね。その前に来れてよかったじゃないですか」


その言葉に頷き、アレンは墓に背を向け歩き出した。

マケドニスはその背中を追う。


が、ふと立ち止まるとちらりと後ろを振り返り、一度だけ礼をした。




「…マケドニス?」

「あ、すみません。今行きます」

「…何してたんだ?」

「何でもないですよ」


変に柔らかい笑顔で言う側近に、アレンは眉根を寄せた。

そして一言、呟く。



「…気持ち悪」

「んなっ!?何ですかそれ、酷くないですか!?」

「っせぇな変態」

「…レイ様に言い付けますよ」

「仲良しねって笑われて終わるぞ」


勝ち誇った笑みで言う黒アレンに、マケドニスはムッと顔をしかめてみせた。

しかし確かに想像してみるとそういう結果になってしまう。


そこでマケドニスはにやりと笑うと、アレンを肘で小突いた。





< 497 / 500 >

この作品をシェア

pagetop