レヴィオルストーリー3
「…とりあえず料理を無駄にするのをやめてもらいましょうか」
「そうね、せっかく使用人さん達が作ってくれたのに失礼だわ」
…そんなワケで三人は怪しい人物に自ら近付いて行く。
真後ろに来ても気付かないギルクを不思議に思いながら、アレンが代表してその肩にポンと手を置いた。
当然ギルクは驚いて肩を震わす。
振り向いた親友を見つめ、アレンは悲惨な状態の皿から目を逸らした。
それから口を開き、話しかける。
「ギルク、何してんだ」
「…え、いや何も!料理取ってたんだぜ」
「いやもう料理じゃねぇだろそれ。原型留めてねぇから」
「え?……んなあぁああ!?」
アレンに言われて始めて気が付いたらしく、ギルクは自分の持つ皿を見て絶叫した。
とても口に出来ない怪しいグロい物体と化したそれらに、げんなりとした顔をする。
「あぁああー…。これじゃイルの料理だ」
「本当よ全く。勿体ないじゃない」
「そうですよ。イル様に料理される食材並に可哀想ですよ」
……みんな揃ってイルの料理のことを言い出した。
アレンはそれを思い出しかけたが、昔食べたカレー(の見た目のヘドロ)の味が蘇って来そうになったのでやめる。