レヴィオルストーリー3
「うおー…、危なかったぁ…」
去っていく三人の背中を見送りながら、ギルクはふぃーっと溜め息をついた。
それから困ったように唸って皿を見る。
「いやぁ…不覚。こんなモン作っちまうくらい悩むのも俺らしくねぇよなぁ…」
どうやらあのギルクに悩み事があるらしい。
彼は頭を掻いてしかめっ面すると、仕方なく料理のようでもう料理ではない物を捨てに行った。
かなり多くの視線を感じて、また少し気分が落ちる。
「イルには負担かけたくないしなぁ。どうしよっかなー…」
ギルクはそう呟くと、また新しい皿を取り広場に戻って行った。
──…それを見ていた人物が数名。
「……? 変なギルクぅ」
初っぱなからデザートを平らげていたリルム達子供組は、一斉に首を傾げて頭上に?マークを浮かべた。
「後でアレンに教えてあげよーっと!」
また彼と話す機会ができ嬉しい少年少女達は、ニッコリ笑うと上機嫌でまたデザートを口に運ぶ。
「ぎゃーっ、美味しいぃいー!!」
…そしてこの瞬間に、もうアレンに話そうと思っていたこと自体を忘れたのだった。
単純おバカが多いらしい。