レヴィオルストーリー3

それから側近は先程家臣から受け取った紙を出し、その内容を主人に伝えた。



「アルヴェインの皇帝様は少し遅れると事前にご連絡頂いたみたいです」


「リュカ首相は?」


「来てないみたいですね。多分直に着くでしょう」


「わかった」



短く言って頷いたアレンは目の前にあるペンを取って器用にくるくる回す。


それをニーナが何故かジッと見ていた。



どうやらペン回しに興味があるらしい。



一年半前は教皇様の前で失礼な、という反応の彼女だったがそれももうかなり変わっていた。




ちなみにリュカ首相、というのは。




辞任したダルヌク国の前首相、ブエノルの後継者。



ブエノルはあの事件の反省をしたのか世界会議で怖じ気付いたのか、真相はわからないが自ら職を辞めたのだ。



それから新しく首相になったリュカ=ル=シニアリーは、30台後半の五児のお父さん。


奥さんは国会の議員だとか。




「はぁ…。何で南大陸はあんな閉鎖的かな」


一つだけ一国も会談に参加していない大陸の名をあげ、アレンは溜め息をついた。



世界会議では数国が出てきてくれたのだが、それもほんの少数。


南大陸は50を超える小規模な国々があるのにも関わらず、何故かどの国も消極的なのだ。





< 87 / 500 >

この作品をシェア

pagetop