レヴィオルストーリー3

不機嫌な様子のアレンを見かね、教皇は苦笑しながらその薄い唇を開いた。



「あの方達は元々自分達だけで同盟を結んで動いていたから、あまり大陸からは出ないのですのよ」


「…それまじ迷惑」


「アレン様、さっき口を慎めと注意したばかりですが」



マケドニスに言われアレンは更に機嫌を損ねた。


レイは黙ってニコニコしながらそれを見つめるだけ。



そしてそれに気付いたアレンは、笑顔なレイに癒され少し上機嫌になる。




「…レヴィオル国勇者アレンは単純、っと」


ニーナが何かメモしていたが、アレンはそれには気がつかなかったとか。










 ──…コンコン…



「失礼します」



雑談しているとふとノックの音が響き、扉の向こうから声が聞こえた。


アレンらが振り向くと、ちょうど扉が開かれ使用人が入ってくるところ。



入ってきた女性は一年半前に新しく使用人を纏める役に就いたマリアンヌだった。



ちなみに彼女はリルムの従姉だったりする。




「アレン様、リュカ首相様ご一行が城に着きました」


「あぁ、通して」


「はい」



マリアンヌはにっこり笑顔で一礼し、きちんと「失礼します」と言ってから会談室を一度出た。


それからしばらくして今度は飲み物を持つ別の使用人と共に入って来て、背の高い男性を部屋に案内する。




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