レヴィオルストーリー3

「遅れてすみませんでした」


マリアンヌに案内された男性は、そう言うと礼をして歩み寄って来た。



この男性こそがリュカ首相。



気品溢れる良家育ちだ。



彼は後ろに奥さんであろう女性ともう一人男性を従え、席に腰を下ろす。



「…あ、私が最後だと思っていたのですが…。違ったみたいですね」


リュカ首相は空席のアルヴェイン国の場所を見ると、そう言ってやんわり微笑んだ。


アレンは頷くと「遅れると連絡がありました」と教えておく。




「そうですか。私も連絡しておけばよかったですね…」


「いえ、別に。まだ始まってませんし」


「そうですわよ。私達はそんなこと気にするような人間ではありませんし。力を抜いて下さいな」


教皇もおほほとおしとやかに笑いながら首相に優しく声をかけた。


ありがとうございます、とまた微笑んだ首相はホッとしたように言われた通り力を抜く。



彼の奥さんもそんな夫を見てクスクス笑っていた。




「なぁマケドニス、遅れるってどんくらいなんだ」


ふとアレンが待ちきれないとばかりに側近に聞く。


マケドニスはそんな主人に丁寧にそれを教えてやった。




< 89 / 500 >

この作品をシェア

pagetop