レヴィオルストーリー3
「遅れてすみませんでした」
マリアンヌに案内された男性は、そう言うと礼をして歩み寄って来た。
この男性こそがリュカ首相。
気品溢れる良家育ちだ。
彼は後ろに奥さんであろう女性ともう一人男性を従え、席に腰を下ろす。
「…あ、私が最後だと思っていたのですが…。違ったみたいですね」
リュカ首相は空席のアルヴェイン国の場所を見ると、そう言ってやんわり微笑んだ。
アレンは頷くと「遅れると連絡がありました」と教えておく。
「そうですか。私も連絡しておけばよかったですね…」
「いえ、別に。まだ始まってませんし」
「そうですわよ。私達はそんなこと気にするような人間ではありませんし。力を抜いて下さいな」
教皇もおほほとおしとやかに笑いながら首相に優しく声をかけた。
ありがとうございます、とまた微笑んだ首相はホッとしたように言われた通り力を抜く。
彼の奥さんもそんな夫を見てクスクス笑っていた。
「なぁマケドニス、遅れるってどんくらいなんだ」
ふとアレンが待ちきれないとばかりに側近に聞く。
マケドニスはそんな主人に丁寧にそれを教えてやった。