レヴィオルストーリー3
「失礼します。遅れてすみませんでした」
ややあって案内する筈の使用人を何故か後ろに従えてやって来たのは、アレンらが言う皇帝その人だった。
魔術大国とも称される、アルヴェイン国の皇帝――シンク=エリアラス=アルウ゛ェイン。
柔らかい金髪と深い青の瞳を持つ、30台前半の精悍な男性だ。
自分の側近だけを引き連れた彼は、アレンらに会釈すると席について微笑んだ。
「この面子でなんて、久しぶりの対面ですね」
と、ほのぼのと言うシンク皇帝。
「そうですわねぇ。半年ぶりかしら」
と、おしとやかに言うサリルナ教皇。
「あの時は南大陸もいましたよね」
と、にこやかに言うリュカ首相。
更には無言でそれらの会話を聞く勇者アレン。
改めて凄いメンバーだな、とマケドニスは若干心の中で苦笑した。
しかも一番年下のアレンが無言だぞ。
「南大陸は今日はサボりなんですか?」
そのアレンにシンク皇帝が首を傾げて訊ねた。
今回の会談の主催者はアレンなので、彼も責任を持って答える。
「はい」
…サボり、と表記していいのかどうか。
レイは少しだけ心配になった。