レヴィオルストーリー3
そんな彼女を差し置いてポンポン交わされる会話の数々。
「そうですか…。まぁ予想はついてたんですけどね」
「はい。初っぱなから断られました」
「うわ~、勇気あるな。あまり勇者様は怒らせない方がいいのにね」
皇帝の言葉にアレン以外の全員が頷いた。
アレンはピクリと眉を潜めて「何でだよ」とでも言いたそうな顔をする。
が、その答えは誰の口からも語られなかった。
ちなみにこの場の全員は、アレンが一年半前に前ダルヌク国首相を半殺しにしたのを知っていたりする。
そして仏頂面して納得がいかないというような表情をする主人を見かね、マケドニスが漸く皆を見渡しこう切り出した。
「…まぁ、雑談は後にして。先に会談をしましょう」
あぁ、そうだと姿勢を正し直す国のトップ達。
どうやらそのことを忘れ去っていたらしい。
…大丈夫なのだろうかこのメンバー。
「さて、と。じゃあ主催者なのですし、アレンが仕切って下さいな」
「はい」
教皇に微笑みながら言われ、アレンは頷くとマケドニスから資料を数枚受け取った。
それから紙を見て目を伏せながら、これから話す内容を先に伝えておく。
「…今日の会談のメインは、東大陸での種族の争いについてです」