レヴィオルストーリー3
――…いつからだろう。
最初は国々の集まりでは、こんなに喋らなかったらしいのに。
アレンはこんなにしっかりと、他国のことまで考えるようになっている。
…そう思うと彼が頼もしく誇りに思えて仕方がない。
それと同時になんだか遠い存在みたいで、少し胸が苦しくなってしまうのも事実だけど。
「…………アレン様っ!」
――…会談中にそんなことを考えてしまっていたレイの思考を現実に引き戻したのは、こんな切羽詰まった女性の声だった。
弾かれたように顔を上げる精帝。
そのマリンブルーの瞳に最初に映った皇帝は、驚いたように目を丸くして自分の背後を見ていた。
当然、彼女もそれに倣う。
――…そこには焦りをその表情に滲ませた、マリアンヌその人が立っていた。
「………どうした?」
アレンは怪訝そうに眉を潜めながら、外に出て待機していたマリアンヌに訊いた。
今しがた会談室に飛び込んで来た彼女は焦りながらも主人に駆け寄る。
「じ、ジリル様がいらしたと下にいる使用人から連絡があったのですが…!」
その発言に、
――…暫しの沈黙。
そして。
「「「「……は!?」」」」